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台湾夏季帰省②台湾の「九份」の青い空と海

 台湾の「九份」その名を聞けば、多くの人が幻想的な夜景と赤い提灯に彩られた街並みを思い浮かべるでしょう。


 私が訪れた日は、久しぶりに青空が広がり、透き通るような青い海が遠くまで続いていました。
 街中には観光客が溢れ、その活気に満ちていました。

 日本の尾道を思わせる山の斜面にぎっしりと並ぶ家々は、どこか昭和の趣を感じさせる小さな山城のようでした。
 

九份はかつて金鉱で栄えた街。明治時代の終わりにかけて、この地では金が採掘され、多くの人々が夢を求めて集まりました。

 今はその名残を残しつつ、観光地として新たな魅力を放っています。
 古い石畳の道を歩きながら、まるで時間が止まったようなこの街の歴史に思いを馳せると、過去と現在が交錯する不思議な感覚に包まれます。

日が暮れると、九份の街はさらに活気を増します。
通りには赤い提灯が灯り、映画のワンシーンのような幻想的な雰囲気が広がります。そんな中、地元のグルメを楽しみながら街歩きするのも九份の醍醐味の一つ。

 紅麹で染まった肉圓(バーワン)は、外はもちもち、中はジューシーな肉汁があふれ出し、口の中で至福の味わいが広がります。
 そして、手作りの芋圓(ユーエン)は、さつまいもやタロイモを練り込んだモチモチとした食感が魅力で、口に運ぶたびにどこか懐かしい甘さが広がります。

 九份での旅のハイライトは家族ぐるみで付き合いがある、長年の茶友洪さん一家と彼がオーナーである茶藝館『九份茶坊』と『水心月』で過ごした時間でした。
 『九份茶坊』は古民家を改装して作られていますが、家の中に池があり鯉もたくさん泳いでいて、インテリアも古物が多く独特の趣があります。山の斜面に建てられた『水心月』からは、素晴らしい海の眺望が心ゆくまで楽しめます。
 窓の外に広がる穏やかな海を眺めながら、台湾茶をゆっくりと味わう時間は、心の奥底までリラックス・リフレッシュさせてくれました。

 私にとって、茶藝館で過ごす時間は単なる休息ではなく、長年の茶友と共に人生を語り合う、特別なひとときでもあります。お互いの子供たちの成長を見守りながら、共に過ごした時間の大切さを改めて感じることができました。

 九份は、タイムスリップしたようなレトロな懐かしさを感じさせる魅力的な場所です。
 台湾茶の香りに包まれながら、九份で過ごす時間は、私に訪れるたびに新たな発見と癒しを与えてくれます。

皆さまも機会があれば、ぜひお立ち寄りください!

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