茶山で茶を選ぶ際には、まず茶農家がどのように茶を作っているかを理解する必要があります。同じ場所、同じ日に同じ人が茶を作っても、結果は異なることがあります。
予算が限られている場合、感情に左右されて茶を選んではいけません。そうすると、良い茶を選べない可能性があります。
評茶師は理性的な態度で、自分の好みではなく、客観的に茶を選ぶ必要があります。評茶師の「官能審査」と機械の「理化検査」は異なります。「理化検査」は、茶葉が農薬、重金属、有害物質などを含んでいないかを科学的に検査する方法です。
しかし、茶は嗜好品であり、熟練した評茶師が選ぶことで、全体的な品質を効果的に判断できます。一口飲めばその良し悪しが分かるのです。
茶は700種類以上の成分が組み合わさったもので、茶ポリフェノールや茶アミノ酸が多いからといって必ずしも良い茶とは限りません。人と同じように、バランスが重要です。
そのため、評茶師が五感を使って迅速に良し悪しを判断する必要がありますが、公平な基準と専門的な厳しい訓練が必要です。これによって、客観的で公平な評価が可能となります。
茶葉の評価は「3gの茶葉を150ccの湯で、100度で5分間に抽出する」という一般的な国際基準に従います。100度で5分間に抽出すると非常に濃くなりますが、評茶師の仕事はその茶のすべての長所と短所を味わいながら全面評価することです。
茶芸師はお茶の長所を引き出し、短所を隠すことを目指しています。この点について評茶師とは異なります。
(五代目店主の茶学講義より)